資本金1万円で創業した「北の達人コーポレーション」を東証プライム(旧東証1部)上場企業にまで育てあげた木下勝寿氏。WEBマーケティングの細かい調整作業から、上場企業としてのダイナミックなマーケティング戦略まで、一気通貫で全て自らの手で経験し得たWEBマーケティングの手法を余すところなく記した書籍『ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング』。
木下氏が結果を出せたのは、独自で定義した2つの手法を組み合わせのWEBマーケティングで、適切なターゲットに効率的にアプローチできたからだという。
ファンダメンタルズマーケティング
人間の感情をベースにしたコミュニケーションの設計方法
テクニカルマーケティング
デジタルデータを駆使して利益を1円単位で計算しながら運用していく方法
「ファンダメンタルズ」と「テクニカル」は元々株式投資の用語。この手法をWEBマーケティングに取り入れたものを「ファンダメンタルズマーケティング」「テクニカルマーケティング」と定義した。
WEBマーケティングの全体像
ここで注意したいのは、「テクニカルマーケティング」は「ファンダメンタルズマーケティング」の一部であるということ。「両方とも大切であるが、どちらかに偏っている人が多い。」と木下氏は述べている。また、配信設定しかできないWEB広告担当者や表面的なデータ分析しかできない分析者はデジタルオペレーターだと言う。『自称WEBマーケター』の多くは『ただのデジタルオペレーター』であり、これらはいずれはAIに取って代わられるとのこと。(既にそうなっている?)
- マーケティングの成果をデジタルの力で増大させる方法を基礎から習得したい方
- より効果的な施策を生み出したい方
①はテクニカルマーケティングを習得することで、②はファンダメンタルズマーケティングを習得することで実現できる。
本書を読み進めているうちに、自分自身が”ただのデジタルオペレータ”になってしまっていることにも気付かされた。
「ファンダメンタルズとテクニカルのスキルを使って、適切なターゲットに効率的にアプローチできるようになると、「広告主」「ユーザ」「メディア」の全てに対して好影響を与える。
広告主: 無駄な広告費が減り、広告効果が上がる
ユーザ: 興味関心がある広告のみ表示される
メディア: 広告枠を増やすことができる
ネガティブなイメージがあるターゲティング広告であるが、適切なターゲティングを行うことは、ユーザによっても嬉しい話。その結果、メディア側の収益増につながる。WEBマーケターとしてキャリアと築きたい方は本書に書かれていることは是非とも身につけたいスキルである。私自身も実践して自分で確かめてみたい。
この本を通じて、ネットの世界がそのように変わっていけばと願って書いた。この本に書いてあることを実践すればすべてが変わる。この本を閉じたら、すぐに行動を起こしてほしい。そのあなたの行動がWEBマーケティングの世界を変えていく。