2013年2月、リクルート創業者の江副浩正氏が亡くなった際、楽天の三木谷浩史社長は朝会でその死を悼んだ。同じ関西出身で、三木谷氏の叔母は江副の友人だったこともあったが、それ以上に、両者のビジネスモデルには強い共通点があった。
楽天とリクルートは、ロゴの色にちなんで「青いR(リクルート)」と「赤いR(楽天)」と呼ばれることがある。その共通点と強さの秘密について、楽天市場を統括していた高橋理人氏が語った。

「青いR」と「赤いR」の共通点
リクルートは、全国の中小零細企業をターゲットに広告を集め、成長を遂げた。例えば、『ガテン』や『ホットペッパー』は、これまで広告を打てなかったような企業にも門戸を開いたことで成功した。
一方、楽天市場も地方の中小零細企業やベンチャー企業を対象にし、彼らが全国区の商売を展開できる場を提供した。両社の共通点は、地方の小規模事業者の可能性を広げ、成長を後押しした点にある。

営業力の会社としての共通点
リクルートと楽天のビジネスモデルは、「BtoBtoC」(企業→中小企業・店舗→消費者)であり、大手広告代理店や百貨店がアプローチしない小規模事業者に営業をかけるという点で共通している。
このモデルの特徴は、圧倒的な数のクライアントを抱えることだ。テレビ広告を出せる企業は限られるが、リクルートの情報サービスや楽天市場には、その何百倍もの企業が関与している。
また、両社が営業力を重視していることも特徴的だ。小規模企業への営業は一見効率が悪いように見えるが、関係を築きながら多くの接点を持つことで強固な基盤を築くことができる。
リクルート時代の経験と営業文化
高橋理人氏は1982年にリクルートへ入社した。当時のリクルートはまだ上場もしておらず、一般的に知名度の低い企業だった。しかし、入社前の「内定アルバイト(NA)」制度などを通じ、新入社員の立ち上がりが非常に早い企業文化があった。
リクルートの特徴の一つは「ナレッジマネジメント」だ。売上を伸ばした社員が表彰され、その成功事例が全社で共有される。この文化がリクルートの営業力を強化し、全社員の成長につながっていた。

「模倣こそが進化を生む」
高橋氏は「模倣こそが進化を生む」と語る。ゼロから新しいものを生み出すのは難しいが、成功事例を徹底的に真似し、それに一工夫を加えることで進化する。
リクルートでは「徹底的にパクる(TTP)」文化があり、成功事例を素早く取り入れることが推奨されていた。この考え方は、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)などのビジネスモデルにも共通する。
日本のスタートアップが成長するためには、このようなアニマル・スピリッツ(企業家精神)を持つことが重要だ。
リクルート事件と企業文化の強さ
1988年、リクルート事件が発覚し、創業者の江副浩正氏が政官財の大物に未公開株を提供したことで贈収賄事件とみなされた。当時、新婚でマネジャーに昇格したばかりの高橋氏にとっても衝撃的な出来事だった。
しかし、リクルートが全国の中小企業と強固な関係を築いていたことが、事件を乗り越える大きな力となった。全国のクライアントが「頑張れ」と応援し続けたことが、リクルートの存続を支えたのだ。

まとめ
「青いR(リクルート)」と「赤いR(楽天)」は、ともに地方の中小企業にフォーカスし、営業力を武器に成長した。成功事例を迅速に共有し、徹底的に模倣する文化が、両社の強さの源泉だった。
日本のスタートアップが成長するためには、売上至上主義とアニマル・スピリッツを持ち、スピード感を持って成功事例を模倣しながら進化することが求められる。
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