
2019年に携帯電話事業者(MNO)として本格参入を果たした楽天モバイルは、低価格で使い放題のモバイル通信サービスを武器に急成長を続けています。インフラ整備を5年前倒しで進める「攻め」の姿勢を見せる一方、巨額投資による資金繰りの課題も抱えています。しかし、数々の紆余曲折を乗り越え、現在では契約数850万件超を達成。業界に新風を吹き込む存在感を確立しました。
1. MVNO事業の始まり──「格安スマホ」ブームに乗る
楽天がコンシューマー向けモバイル通信事業へ本格参入したのは、MVNOが注目され始めた2012年頃です。同年、イー・アクセス(現ソフトバンク傘下)と合弁会社を設立し、同社回線を用いた「楽天スーパーWiFi」を提供開始しました。傘下のフュージョン・コミュニケーションズは、NTTドコモ回線を活用した「楽天ブロードバンド LTE」をスタート。
この頃、イオンが「低廉な料金プラン+SIMフリースマホ」をセット販売し、「格安スマホ」が一気に脚光を浴びます。大手からもKDDIのサブブランド「UQ mobile」やオプテージの「mineo」が参入し、楽天のMVNO事業も市場拡大の追い風を受けました。
2. MVNOトップシェア獲得とMNOへの布石
楽天モバイルは知名度を活かし、テレビCMや「5分かけ放題」などの通話オプションを強化し、2017年までにMVNO市場でトップシェアを獲得しました。さらに:
2017年:FREETEL(プラスワン・マーケティング)通信事業を買収
2019年:DMM.comのMVNO事業を取り込み
このようにして顧客基盤を拡大しつつ、次のステージであるMNO参入への体制を徐々に整えていきます。
3. MNO参入表明──「MVNOは奴隷」の衝撃発言
2017年12月14日、楽天グループは「MNOとして新規参入」を突然発表。膨大な設備投資リスクにもかかわらずなぜ挑戦したのか、多くの疑問の声が上がりました。背景には:
完全仮想化ネットワークの採用:汎用サーバー+ソフトウェアでネットワークを構築し、コストとリスクを抑制
三木谷氏の発言:「MVNOは奴隷のようなもの」として、借り物回線の制約から脱却したいという強い想い
これを受け、2018年1月に「楽天モバイルネットワーク」を設立、同年4月には4G用1.7GHz帯の周波数免許を取得。2019年には限定的ながら試験サービスを開始し、2020年以降に商用化へとつなげました。

4. MNO転身の核心──自由度と独自性の追求
当時のMVNOは、キャリア設備に大きく依存するため、独自料金プランや新機能の展開に制約が多い状況でした。
レイヤー2接続型MVNO:通信品質や速度・料金プランは決められても、コア機能では制限あり
フルMVNO:IIJなど一部のみ自社SIM発行が可能な段階
- データ量段階制の低価格使い放題プラン
- 「Rakuten Link」での無料国内通話
- 将来的な衛星通信連携
5. 政府の後押し──寡占解消を目指して
MVNOの急増による過当競争や大手3社のサブブランド強化を背景に、政府は市場寡占の打破を至上命題としました。
総務省は新規MNO参入を強く後押し
官房長官の菅義偉氏も「携帯料金は4割引きの余地」と言及
楽天モバイルの参入は、政府の競争促進策とまさに合致。行政支援を受けやすい環境が、MNO化の追い風となりました。

6. 転身は正解か──今後の評価指標
- 契約数:800万超を突破も、ドコモ/KDDI/ソフトバンクには及ばず
- 収益性:巨額投資に伴う資金繰りリスク
真価を問うには、今後のサービス品質向上と収支改善の両立が鍵。MVNOからMNOへの転身が「正解」と言える日は、まだ先かもしれません。
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