
いまや私たちの生活に欠かせないスマートフォン。ビジネスでの通話やメッセージ交換はもちろん、ウェブ検索や動画視聴、SNSなど、日常のさまざまな場面で活躍します。しかし、地下鉄や高速移動中の新幹線でも通信が途切れないのは一体なぜでしょうか?その秘密は、私たちが普段意識していない「基地局」と呼ばれるインフラにあります。
スマートフォン同士は、実は直接つながっているわけではありません。スマホが通信する際には、まずスマホから電波が発信され、最寄りの基地局がその電波をキャッチします。この基地局は、都市部や住宅地ならばビルやマンションの屋上に設置されています。さらに巨大な商業施設や地下街などでは小型基地局が屋内に設置され、どこにいてもスムーズに通信が行えるように配慮されています。
東海道新幹線のような高速鉄道では、線路沿いに多数の基地局が設置されており、トンネルの出口付近から内部へと電波が届くよう特殊な工夫がされています。このため、時速285キロメートルという高速で移動しても、通信が途切れることなく利用できます。
スマホ通信が滞る理由と「輻輳」という大渋滞
基地局から送られたデータは光ファイバーを通じて通信会社のネットワークセンターに到達します。その後、インターネット上のさまざまなサービス(YouTubeやSNSなど)とつながります。しかし、大勢が一度に通信を行うと「輻輳(ふくそう)」という状態になり、データが渋滞して通信障害が起こることがあります。
2022年7月のKDDIの通信障害も、わずか15分間の設備不具合が原因で大規模な輻輳を引き起こし、数日に渡って広範囲で通信障害が続きました。このように、基地局だけでなく通信網全体の管理や処理能力が重要です。
通信品質を左右する「プラチナバンド」と楽天モバイルの苦戦
日本の携帯通信は1979年のアナログ方式の第1世代から始まり、現在は5Gが主流となっています。特に「プラチナバンド」と呼ばれる800MHz帯などの低い周波数帯は、障害物を避けて遠くまで届くため、通信品質を大きく左右します。長年の実績があるドコモ、KDDI、ソフトバンクはこうしたプラチナバンドを中心に多数の基地局を持ち、高品質な通信を提供しています。
2020年に参入した楽天モバイルは、競合と比較して基地局数が半分以下と少なく、しかも当初割り当てられた1.7GHz帯だけでは、都市部を離れると圏外になりやすいという問題に直面しました。楽天モバイルはこの問題を解決すべく、プラチナバンドの獲得に奔走し、ようやく獲得に成功しましたが、それでもまだ基地局数の少なさが大きな課題として残っています。

楽天モバイルの逆転策は「宇宙」からの通信!?
基地局数のハンデを抱える楽天モバイルですが、同社には競合を一気に追い抜く秘策があります。それが楽天グループが300億円出資している米国のベンチャー企業、ASTスペースモバイルと提携した「衛星通信」です。
2026年から始まるこの新サービスは、地球を周回する低軌道衛星からスマートフォンに直接電波を届けることで、従来の基地局がカバーできなかった山間部や離島でも通信可能にすることを目指しています。すでにiPhoneでは衛星を経由した緊急SOS機能が提供されていますが、楽天モバイルが計画しているのは通常の音声やデータ通信までカバーする本格的なサービスです。
空さえ見えれば圏外ゼロに!第6世代(6G)の通信革命へ
衛星とスマホが直接通信するためには、「空が見えること」という条件があり、屋外利用に限定されます。しかし、この新たな通信方法が普及すれば、地震や台風などの自然災害で基地局がダウンした場合でも、宇宙からの電波によって通信が維持できます。
ドコモやソフトバンクも、災害時に飛行機から電波を飛ばして通信を復旧させる「HAPS」を開発中で、空を利用した通信が第6世代(6G)の鍵になると言われています。楽天モバイルの衛星通信戦略が成功すれば、競争環境は大きく変わる可能性があります。
※ 本キャンペーンは、こちらの案内だけの限定優遇※ 再契約または2️⃣回線目以降もポイント獲得対象※ 終了日未定により、予告なく突如終了となる可能性あり
いずれかの画像をクリックし、楽天アカウントでログインまたは新規登録後に、楽天モバイル特別キャンペーンページに遷移します。
