7月2日〜4日に京都で開催された日本最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2025」での注目セッション、東京大学・松尾豊教授と平将明デジタル大臣による対談から、日本のAI戦略を「環境・課題・戦術・官民連携」の観点でまとめてみました。
「日本AI戦略の未来」~グローバルAI競争下での日本の戦略的ポジショニング~
出演者:平 将明(デジタル大臣)
松尾 豊(東京大学大学院工学系研究科 教授 AI戦略会議 座長)
木嵜 綾奈(NewsPicks Studios 取締役)
学びやすく実装しやすい土壌が整っている理由とその強み
松尾教授曰く、日本は「学習しやすく実装しやすい」国であり、政府や自治体がAI導入に動きを見せているとしています。「僕あんまり大きなことは言わない性格ではあるんですけど、今の日本のAIの状況とかなんかだいぶいい位置なんじゃないかな」と話し、「国としての動きはほぼ満点」と評価。その理由は、柔軟な制度設計により研究者・スタートアップ・自治体が動きやすい構造ができていることにあります。
最大の課題は「サイバーセキュリティ」―信頼獲得への急務
平大臣は、せっかく優秀なAIモデルを作っても「パクッと敵対的な国に捕らえられたらどうすんだ」という懸念を示し、サイバーセキュリティ強化が喫緊のテーマであると語ります。国家レベルでは「国家サイバー統括室」を設置し、通信分析権の強化やサーバー完全無力化など新制度を導入、迅速な防御態勢を築いています。
行政へのAI導入―「政府AI」モデルが自治体へ横展開
政府は「ガバメントクラウド」「デジタルマーケットプレイス」といったインフラ整備により、行政現場へのAI導入を進めています。松尾教授は「デジタル庁でAIを実際にいろんな業務に使っていて、自治体にも一気に広がっている」とし、横須賀市等で業務効率が80%向上した例もある行政現場のモデルを評価しています。
米中に見劣りしない戦い方:「民間の投資循環」を確立せよ
予算面では米国ビッグテックの投資(約34兆円)と比べ、日本政府のAI関連予算(約2,000億円)は圧倒的に小さい現実があります。松尾教授は「企業がAIに投資し、収益に変えて再び投資する好循環を作らないと戦えない。これが『戦える土俵』に乗る条件」と述べ、実際に大企業やスタートアップによる実装の重要性を強調しています。

日本独自モデル:「分散型AI」と信頼を軸とした文化적アプローチ
ビッグテックのような集中巨大AIに依存するのではなく、日本は「分散型AI」や価値観に基づいたAI設計に注力すべきと両者は主張します。加えて、日本は国際協力による途上国でのAI教育支援などを通じて「信頼のインフラ」を構築し、ASEAN・アフリカなどへの連携を強めていく構想です。
AI活用が日本の成長エンジンになるための5つのポイント
- 柔軟な制度設計による学び・実装環境の構築
- 国家レベルのサイバーセキュリティ強化と信頼獲得
- 行政現場でのAI導入による標準モデル構築
- 企業による投資循環の確立で競争力を底上げ
- 分散型・文化重視+国際協力による日本独自の戦略
松尾豊教授は「大企業の積極的なAI導入×スタートアップの活気×海外展開が組み合わされば、日本は本当に『戦える』可能性がある」と締め、平将明大臣も「海外ビッグテックとは違う、日本らしいAI戦略を遂行すべき」と支持しています。
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