三木谷会長が語る「FCバルセロナ親善試合」騒動の舞台裏 ─ ヴィッセル神戸戦を巡る混乱と救済劇
2025年7月27日にノエビアスタジアム神戸で開催された、ヴィッセル神戸とスペインの名門クラブ・FCバルセロナとの親善試合（チャリティーマッチ）を巡って、大きな波紋が広がっていた。その渦中にあったのが、楽天グループ創業者でありヴィッセル神戸の会長も務める三木谷浩史氏だ。
この試合は当初、主催者であるヤスダグループとFCバルセロナとの間で結ばれた契約において重大な不履行があったとして、バルセロナ側が7月24日に突如「来日中止」を発表。サッカーファンや関係者に衝撃が走った。とくに全国の子どもたちにとっては、一生に一度の夢のような試合。チャリティーの要素も含んだこの親善試合が中止になることは、多くの人にとって看過できない問題だった。
未納金問題と報道 ─ 三木谷会長が8.6億円を肩代わり？
スペインの複数メディアによると、問題の根幹には2017年から2022年までFCバルセロナのメインスポンサーを務めていた楽天グループが関わっており、今回の主催者ヤスダグループに対して約500万ユーロ（約8億6000万円）の未納金が発生していたとされている。そして、この金額を三木谷会長が「個人的に肩代わりすることで試合中止が回避された」と報じられた。
これについて三木谷会長は26日、ヴィッセル神戸の公式練習を視察した際に報道陣の質問に応じ、「ファクトとして着金がなかったということ。その問題を解決するために、いろんな人が協力してくれて、なんとか開催できました」と説明。一方で、実際に自らが支払ったのかどうかについては「弁護士から話してもらう方がいいかなと思うんですよね」と、明言を避けた。
「なんとか開催できてうれしい」 ─ 子どもたちの笑顔のために
三木谷会長は今回のFCバルセロナ戦について、「日本全国の特に子どもたちがこの試合をすごく楽しみにしていると思ったので、なんとか開催できてうれしいです」と笑顔を見せた。試合の開催が危ぶまれた24日早朝、午前5時の段階で状況を把握し、すぐに行動に移ったという。
特に注目されたのは、FCバルセロナのOBであり、元スペイン代表DFのジェラール・ピケ氏とすぐに連絡を取り合い、バルセロナのラポルタ会長を含む関係者との橋渡し役を担った点だ。まさに「裏方」としてチャリティーマッチ実現のために尽力し、その行動力が混乱を収束させた鍵となった。
今後の展望と法的措置の可能性 ─ ヤスダグループとの関係は？
報道陣から「ヤスダグループに対する法的措置の可能性」について問われた三木谷会長は、「その辺は法的な話があると思うので、また後日、しっかりとした弁護士なりの人から説明してもらった方がいいかなと思います」と語り、現時点では詳細の説明を避けた。
今回の親善試合は、結果として予定通り開催され、多くのファンや子どもたちの夢を守る形で終えることができた。その裏には、楽天グループのトップでもある三木谷会長の迅速な判断と行動があったことは間違いない。
今後、ヤスダグループとの契約問題や未納金の真相がどのように明らかになっていくのか。そして、スポーツビジネスにおけるリスク管理や契約履行の重要性が改めて問われる中、楽天やヴィッセル神戸の動向にも注目が集まっている。
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