KDDIの高橋誠社長は11月1日の決算説明会の中で、「楽天モバイルの取り組みは見習うところが多い」との見解を示した。これは楽天モバイルによるコミュニケーションアプリ「Rakuten Link」のリニューアルの受け止めを示す発言で、高橋社長はRCSを例にコミュニケーションアプリが今後、どのような方向性になるのかも示した。
楽天モバイルは10月31日、Rakuten Linkアプリにチャット形式のAIサービス「Rakuten Link AI」を実装していくと発表。1回のチャット数の入力上限は50回まで(1回の質問につき500文字まで)という制限付きだが、「Rakuten最強プラン」の契約者なら無料で生成AIを体験できる。
楽天グループの多様なサービスと連携しているのがポイントで、例えば、「楽天市場でおすすめの和菓子」と入力すると、Rakuten Link AIが自動検索でいくつかおすすめの和菓子をピックアップする。「楽天トラベルでおすすめの旅館」という入力に対しては人気旅館を提案し、予約まで支援する。楽天モバイルのデータ使用量や請求なども提示できる。
コミュニケーションアプリの今後の方向性について、高橋社長はRCSを例に挙げ、「衛星通信とスマホの直接通信と非常に親和性があるし、RCSとGoogleの生成AIであるGeminiとの親和性もよい」とコメントし、「コミュニケーションサービスにAIをどう組み込んでいくのか、これが次の勝負になるのではないか」との持論を述べた。
RCS(Rich Communication Services)は、GSMAで世界的に標準化されているメッセージサービスの規格。SMSをリッチ化したもので、長文のテキストや、画像や動画などを含むメッセージを送受信できる。複数人でのグループチャットも利用可能になる。
AndroidではGoogleが提供するメッセージサービス「Google メッセージ」がRCSに対応している。一方、AppleのiOSのメッセージアプリは専用のiMessageを採用しており、Android端末とはSMSしか送受信できなかったが、Appleが6月10日(現地時間)にiOS 18で「メッセージ」アプリがRCSに対応すると発表した。KDDIの高橋社長は「iPhoneに採用されるのは大きなこと」と期待を寄せている。
なお、国内キャリアのメッセージサービスとしては、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが提供する「+メッセージ」、楽天モバイルのRakuten LinkがRCSをサポートしている。
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