◆キャスト
MC：柴田阿弥
ゲスト：望月智之 (株式会社いつも 取締役 AI室長)
コメンテーター：今井翔太 (AI研究者 ／ 東京大学 松尾研究室出身)
AI検索の普及状況
企業の中で続々と導入が進むAIですが、生活の中でも大きな変化を及ぼしています。近年、AIを活用した検索サービスが急速に広がっています。特に20代の若年層では、実に5人に1人が日常的にAI検索を利用しており、Googleなど従来のキーワード検索からAI検索へ移行する動きが目立っています。
具体的な活用シーン
たとえば「おしゃれなポータブル電源」といった曖昧なニーズに対して、AIは具体的なデザインやカラーバリエーションを提案します。また、サイズや予算など複数条件を同時に指定しても、適切な候補をすばやく抽出できます。
ショッピングサイトへの影響
AI検索経由のAmazon流入量はこの1年で13倍、楽天市場では69倍に増加しました。特に2023年10月以降、AI検索ユーザーが爆発的に増え、サイト運営者にとって見逃せない流入経路となっています。
また、チャットGPT内では商品画像や価格、レビューを一覧表示し、そのまま購入まで完了できる機能も米国で導入されており、今後日本でも普及が期待されます。
Google検索におけるAIオーバービュー
2023年8月より日本でも実装された「AIオーバービュー」は、検索結果画面の上部に要約情報と関連リンクを表示します。情報探索には有用ですが、現状では商品検索には対応していません。
要約の正確性にばらつきがあるため誤情報混入のリスクがあり、ユーザーがオーバービューだけを参照して下位結果を開かなくなる傾向も見られます。企業は従来のSEO施策に加え、AIオーバービューで取り上げられる最適化にも取り組む必要があります。
AI検索が拓く未来と課題
B2Bや技術商材、医療・健康相談など、情報量や専門性が求められる領域での活用が期待されます。一方で、書籍や化粧品のように実際に手に取らないと判断が難しい商品では影響が限定的です。
また、情報の正確性には注意が必要で、ユーザー自身の判断力やセキュリティ対策も不可欠です。
ユーザーへのおすすめ活用法
- AIに自分の好みや検索履歴を学習させ、より精度の高い提案を得る。
- クレジットカード情報などの重要データは入力せず、セキュリティ設定を必ず確認する。
- AI検索はあくまで補助ツールとして利用し、最終的な判断は自分で行う。
結論：新たな購買体験の幕開け
AI検索はショッピングの効率化と利便性向上に大きく貢献し、ユーザーは短時間で最適な商品にたどり着けるようになります。企業側もAI検索を視野に入れたマーケティング戦略の再構築が求められ、ユーザーとの新しい関係性が築かれていくでしょう。技術の進化とともに課題への対応も進み、AI検索は今後ますます日常生活とビジネスの両面で欠かせない存在となることが期待されます。
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