楽天グループの会長である三木谷浩史氏が、自身のX（旧Twitter）アカウントを通じて楽天モバイルの料金の安さを強くアピールしました。大手通信キャリアが相次いで値上げを実施する中、三木谷氏は「改めて見ると楽天モバイル本当に『安い！』ですね」とコメント。投稿には他社との比較表も添付されており、ユーザーに対して料金の違いを直感的に理解できるよう訴求していました。
この投稿では、国内通話が無料で利用できる「Rakuten Link」アプリの利便性や、海外利用時に月2GBまでデータ通信が無料となるサービス、さらに楽天市場での買い物におけるポイント還元率の大幅な増加といった特典にも触れられています。三木谷氏は「是非、ご検討ください」と締めくくり、楽天モバイル公式サイトの価格シミュレーションの利用を呼びかけました。
他社と比較しても歴然の価格差 ── 楽天モバイルの競争力
楽天モバイルが提供する料金プランは、利用するデータ容量に応じて3段階に分かれています。3GBまでなら月額980円、20GBまでで1980円、そしてデータ無制限プランでも2980円と非常にリーズナブルな価格設定です。対して、NTTドコモは1GBで2500円、無制限で7860円、auは1GBで4480円、無制限で7080円、ソフトバンクも1GBで2980円、無制限で6750円と、いずれも楽天モバイルより大幅に高い価格です。
さらに、UQモバイル（au系）やY!mobile（ソフトバンク系）といったサブブランドも、10〜30GBで3480円、5〜30GBで3650円と設定されていますが、楽天モバイルの無制限プランと比べると依然として割高感が否めません。これらの比較は、特にNTTドコモやauが最近実施した値上げ後の価格を基にしており、楽天モバイルのコストパフォーマンスの高さが一層際立つ構図となっています。
安さの裏にある課題 ── 価格と品質、ユーザーはどう選ぶか
一方で、「安い」だけでは語れない側面もあるのが現実です。楽天モバイルは通信エリアの拡大を進めているものの、地方や一部都市部における電波の安定性については、NTTドコモやau、ソフトバンクと比べてまだ課題が残るという声もあります。特にターミナル駅などの混雑エリアでは、通信が不安定になることも指摘されており、2025年には5G基地局の整備に関して行政指導を受けた事例も報道されました。
これに対し、auは値上げと同時に通信品質の向上を強調。国際的な通信評価機関「OpenSignal」では、日本国内において動画視聴、ライブ配信、通話アプリの使用感など11項目でNo.1と評価されています。auは「価格よりも品質重視」の姿勢を打ち出し、値上げの背景には安定した高速通信を支える投資があると説明しました。
楽天モバイルの価格は確かに魅力的で、楽天市場などのサービスとの連携によるポイント還元もユーザーにとって大きなメリットです。しかし、キャリア選びにおいては、価格と品質のバランス、そして日常の使用環境に適した通信の安定性が問われる時代に入っています。ユーザー自身が何を優先するかを見極め、賢い選択が求められているのです。
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