LEARNING

語学習得は「完璧でなくていい」と割り切ることが成功の近道【最強の外国語習得法】

語学が堪能だったら、「仕事や趣味の選択肢がもっと広がるだろう」、「海外旅行がもっと楽しくなるだろう」と思っていても、語学学習はなかなか継続しにくく、何度も挫折している人も多いでしょう。

ましてや独学なんて無理! とほとんどの方が思っているかもしれませんが、『ゼロから12ヵ国語マスターした私の最強の外国語習得法』(SBクリエイティブ)の著者であるKazu Languagesさんは、日本で生まれ育ちながら、たった5年間で12ヵ国語(スペイン語、英語、フランス語、アラビア語、インドネシア語、ロシア語、ポルトガル語、ドイツ語、トルコ語、中国語、タイ語、韓国語)を習得しました。

本書では、ほぼ独学で多言語話者となった著者が、遊ぶように学んで外国語を習得する極意を公開しています。

今回は、Kazu Languagesさんが実践した「絶対に挫折しないマインドセット法」をご紹介します。今度こそ、語学を習得したいと考える人は必読の一冊です。

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「苦手」を克服しようとしない

言語を学ぶ過程では、きっと誰もが「苦手とすること」にぶつかるものだと思います。

複数の言語を学んでいると、言語によって難しいポイントが違うと気付かされることもしょっちゅうです。

たとえばロシア語は文法が難解ですし、中国語とタイ語には「声調」と呼ばれる独特な発音体系があり、なかなか体得できません。

このように私も言語ごとに苦手とする部分はあるのですが、すぐに何が何でも克服しようと頑張ったことはありません。

文法や文字、発音が難しいと感じたら、とりあえず文法そのもの、文字そのもの、発音そのものには注力せずに、いったん脇に置く。

そんなふうに苦手なところはラフに捉えておいて、フレーズや単語にたくさん触れることを通じて、徐々に体得していけばいいか、くらいの気楽な感じです。

おそらくこれが、今までさまざまな言語を学び続けてこられた理由のひとつなのでしょう。

苦手なところにばかり目を向けていると、学びたい気持ちが少なくなっていってしまいます。

努力してもなかなか克服できないのはつらいものですし、つらいと感じるものは長続きしません。

挫折の一大要因は、「苦手を克服しようと努力するあまり、つらくなってしまうこと」ではないかと思うのです。

裏を返せば、苦手を克服しようと頑張らないことが、挫折知らずのマインドセットにつながるということです。

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「聴く」「読む」が一気に上達する心得

映画やドラマ、Podcastはリスニングの練習台に、マンガやエッセイ、ブログなどはリーディングの練習台になります。

ここでも鍵となるのは「完璧」を求めないこと、つまりすべてを完全に理解しようとしないことです。

これには「自分に優しくしたほうが楽しく学習を続けられる」という意味合いもありますが、実はもっと重要なポイントがあります。

完全に理解しようとしないほうが早く上達できるのです。

私もよく現地の動画コンテンツを見たり、文字コンテンツを読んだりしますが、そこで常に心掛けているのは「大意をつかむこと」です。

「だいたいこんなことを話している」「だいたいこんなことが書かれている」というのがわかればOK。

そういう心構えで臨まないと、わからない単語や表現が出てきたときに焦り、思考停止になって「結局、何も理解できなかった……」ということになりかねないのです。

この心構えは、ネイティブと話しているときにも有効です。

日本語話者同士で話しているときだって、相手が言ったことを、一言一句逃さず捉えているわけではありませんよね。

そう考えると、コミュニケーションとは互いに「大意を理解する」のを繰り返すということなのだと思います。

外国語のネイティブと話すときは、その「大意」の割合が少し変わるに過ぎません。

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自己暗示をうまく活用する

とても感覚的な話なのですが、外国語を習得するのは、いわば「その言語を話す別人格を獲得する」ようなものなのかもしれません。

その別人格の獲得がうまくできればできるほど、習得も早くなる気がします。

別の言い方をすれば、ネイティブと話すときに「ネイティブになりきる」「日本語話者としての自分を静かにさせる」ことがポイントです。

決して侮れない自己暗示の力を借りると言ってもいいでしょう。

そこで私が普段ネイティブと話すときに意識していることを、2つほど共有します。

まず1つめは、「フィラー」を言うときも、ネイティブと同じように、その言語で言うことです。

フィラーとは、次に言うことを考えている間や、話し始めの取っ掛かりとして言う言葉のこと。

英語だと「Well…」「Um…」「You know,」「So,」「Like…」「I mean,」などがフィラーに当たります。

ちなみにスペイン語には「Este,」「Como,」「Bueno,」「Pues,」「Mira,」といったフィラーがあります。

頭の中で「学習中の言語」と「日本語」の行き来がなるべく起こらないようにすることは、言語習得を早める上で非常に有効です。

普段は日本語を話して暮らしているわけですが、ネイティブと話しているときは、なるべく頭が日本語に引き戻されないようにする。

言い換えれば、その言語で頭の中をいっぱいにするということです。

ネイティブと話しているときに、独り言のように「えーっと」「何だっけ」「だから」「それで」などと言ってしまうのは、つまり、まだまだ頭の中で日本語の占める割合が多いということです。

フィラーを言うたびに頭が日本語に引き戻されてしまうため、リスニングにおいてもスピーキングにおいても非効率的といえます。

ほんの1語、2語から成るフィラーなど、取るに足らないと思ったかもしれません。

しかし、それくらい小さな言葉すらもネイティブのように言うことで、「日本語話者としての自分」を静かにさせることができるのです。

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