「誰に」☓「何を」☓「どう」伝えるか
クリエイター(広告として制作されたコンテンツ)は3つの要素で構成されている。
「誰に」- ターゲットユーザ
男性と女性では同じ商品でも興味を持つポイントが違う。よって、ターゲットが異なれば伝えるべきことや表現方法を変えるべきである。
USPからターゲットの具体的設定方法
「ニーズ」をベースにして、そのニーズのつようさを段階的に分類するという方法がある。ニーズの強さというのは「痛み」の強さと言ってもよい。ユーザの悩みや痛みが強ければ強いほどそこには強力な対策が存在するということ。
- 対策の必要性に気づいていない
- 対策の必要性に気づいているが「悩みや痛みは一時的なもの」だと思っている
- 対策の必要性を自覚しているし、悩みや痛みは一時的ではないと思っているが、何も手を打っていない(探してもない)
- 対策を色々検討し始めている
- 対策を色々検討してかなり詳しい状態
- 対策の手を打ち始めた(何らかの商品を買った)
- 既にお気に入りの対策のための商品があり、満足している
- お気に入りの商品はあるが、「他にもっと良いものはないか」と思っている
- 色々使ったが結局満足するものはなかった
「何を」- 商品を伝えるべき特徴
どの訴求要素をメインに選ぶべきかは、ターゲットユーザーを誰にするかということとどんな競合がいるかによって変わるので、戦略的に考察すべきである。感覚で決めてはならない。競合品に対して優位性がないものを選んだり、そもそもターゲットユーザーが望んでいないものを選んだりすると、どれだけ後工程で素晴らしい表現方法を作ったとしても売上につながらない。その商品の広告を作るためには、この商品"のみ"で言えることを調べて見つけ出さなければならない。そのためには「ユーザ」「競合」「商品」のことを誰よりもよく知ることが大切なのだ。
USPからメインメッセージを導き出す
USP(=Unique Selling Proposition)とは、「商品やサービスが持っている独自の強み」のこと。主に、大きく4種類に分けられる。
- 「他社商品にはない便益を与えられる」or「今までになかった便益を与えられる」
- 例) そよ風のような優しい風が出る(バルミューダ グリーンファン扇風機)
- 「他社商品よりも高い便益を与えられる」
- 例) 「塗る」の7.5倍浸透する「刺すヒアルロン酸」(北の快適工房のマイクロニードルパッチ
- 「実績、権威性などの付加価値がある」
- 例) 東大生の2.5人に1人が東進生(東進ハイスクール)
- 「金銭的お得感がある」
- 例) 授業料1ヶ月分無料!入会金無料!(家庭教師のトライ)
USPとは「世の中でうちの商品でしか提供できない価値」のことだ。他社がすぐに真似できるのは、本当のUSPではない。ビジネスとは突き詰めれば、いかに「他社にはない価値」を世の中に生み出せるかということだ。USPのないビジネスほどやっていて虚しいものはない。
「どう」- 適切な表現方法
たった8文字で売上1.5倍
著者が経営する「北の達人コーポレーション」は創業時、カニやメロンなどの北海道特産品のECが本業だった。商品の個数を選ぶプルダウンの側に「お1人様2個まで」という8文字を付け加えたところ、売上が1.5倍になったとのこと。ここから分かることは「ほとんどの人は物を買う時に「何個にしよう」といちいち考えていない」ということ。「1人2個まで」という文言を置くことで、「2個までしか買えないのであれば2個買っておいた方がいいのではないか」という思考が脳内で発生する。
- Apple to Appleの比較なのか?変更前と変更後の比較であれば、認知度やリピーターの増加により、何もしなくても売上がアップしている可能性が高い。
- 元の売上が低いほどアップしやすい。売上がいくらからいくらまで上がったのかのデータがほしい。(創業時とのことでなおさら)
このようなちょっとしたコピーを「マイクロコピー」と言う。多くの人はキャッチコピーやボディコピーにはこだわるが、マイクロコピーにはこだわらない。キャッチコピーやボディコピーは真似されやすい反面、マイクロコピーの力で売上が2~3倍になっても、他社には気づかれづらいため、独壇場を守りやすい。
伝わりやすい文章構成(第5章:「どう」伝えるのか)
LPやメルマガを考える際に活用できるライティングテクニック。著者は、セールスライティングを上達させるには文章の型を身につける必要がある。本書では、経営コンサルタント・竹内謙礼氏から伝授された「型」を紹介している。
- 結論
- 否定(会話文)
- 肯定
- 自分の意見
- 煽り
たとえ良い表現ができて、ユーザの心をつかんだとしても、ユーザは同じ性能の商品を検索して改めてどれを買うか決めることが多い。比較検討が容易なWEB広告では通用しない。「どう(どのように)」の部分を頑張ることは「市場を広げる」ことには寄与する一方、自分の商品が売れることへの寄与度は小さい。